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【 筆界特定制度 】 ・私たちの意見書に高い証明力を。
【 問題提起 】

筆界特定作業において、登記官が優位なのか、土地家屋調査士が優位なのか、実務上で言われております。

最終的に結論を出すのは筆界特定登記官ですが、調査と資料収集は主に私たち土地家屋調査士が行います。

筆界における知識と実務では誰にも負けず、私たちが出す意見書は、裁判に例えれば鑑定人が作成する鑑定書のような

もので、もっとも高い証明力が認められるはず・・・。 しかし現状は違うような気がします。

登記官の指示のままに物的証拠のみによって筆界を特定してしまうような話しがあるのです。

境界(筆界)とは法律上で明確な概念を示せないくらい難しいものであることは、私たちが良く知るところですが、

筆界特定における私たちの意見書はどう取り扱われるべきでしょうか?

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【 当職の意見 】

1.筆界は机上で判断できるほど簡単なものなのでしょうか?

現状の筆界特定制度の問題として、私たちの立場の低さを感じます。

自分の資格だからそういうわけではありません。

問題は、筆界を特定するまでの過程で、その方法を登記官の指示のままに行うことは、即ち筆界の特定は机上の判断に

偏るということです。 知識はあっても実務に乏しいからです。(ここでいう実務は”現場での実地経験”を意味します)

筆界は、知識だけで実務もないのに正しい判断ができるほど簡単なものなのでしょうか。

筆特における私たちの役割がただの資料収集だけになってしまうのであれば、この制度における私たち土地家屋調査士として

の役割はないような気すらしてきます。


2.正しい筆界が特定されるために

登記官と土地家屋調査士の立場がせめて対等でなければなりません。


筆界を特定する技術は、知識と実務を兼ね備えた私たちが一番優れているということならば、

チームの監督として登記官が存在するも、筆界を特定することに関しては、せめて対等の立場が必要になります。


3.私たちの意見に高い証明力が認められる制度に変えるために

私たちの立場を変えていくためには、現行制度にとらわれることなく意見を言えることが大事なような気がします。 

現行制度上の役割から資料収集だけに割り切ってしまうことは、してはいけないことと思います。

登記官によって、土地家屋調査士の意見を尊重する方からそうでない方までいろいろだと思いますが、この制度における

土地家屋調査士優位の状況を増やしていくことで、制度改革の道筋は開けるのではないでしょうか?


私たちの意見は、物的証拠(公図、地積測量図等)と人的証拠(当事者の意見等)を収集した上で、筆界を特定できる

最も高い証明力をもった証拠として取り扱われたら・・・。 

裁判所から選任される鑑定人としての意見ぐらいの証明力が認められたら、良いですね。

(注:裁判官は鑑定人の意見に拘束されません。しかし高い証明力をもった人的証拠として取り扱われます。)


※略してますが、登記官は主に筆界特定登記官、土地家屋調査士は筆特代理人又は筆界調査委員として



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