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【 話し合い 編 】 お隣様との話し合いに、どれくらいの主張ができるのか? |
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3.登記簿を信じていいのか?
(登記簿の役割を知って円滑な話し合いを。) |
登記簿というものは、法務局という役所で管理されているため
それが法的に証明され、絶対なものであるとの誤解がとても
多いのです。
境界線が関係する話し合いをする時に、登記簿を引き合いにだす
ことも多いと思います。 しかし、この登記簿に対する認識が
誤っていれば・・・、無理な主張をしてしまうかもしれません。
それを予防するために、少しだけ知ってくださいね。
※前項の地積測量図の話と合わせてご覧くださいね。
参考 不動産登記法 第1条
(目的)
第一条 この法律は、不動産の表示及び不動産に関する権利を
公示するための登記に関する制度について定めることにより、
国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資すること
を目的とする。
【 登記簿とはどんなもの? 】
1.公示(知りたい人が見れる土地の履歴書)
登記簿の制度は、不動産登記法により定められ、土地の
所有者が変った等の情報は、国民の義務として登記申請
手続され、登記簿に反映されます。 土地の履歴書みたいな
ものですね。
第1条の目的の部分に、「公示」となっているのがわかります。
公示とは、「公の機関が一般の人に広く知らせる」という意味で、
土地情報を知りたい人が、登記簿を自由に閲覧できるという
根拠はここにあります。 (自分の土地だけでなく他人の土地も
自由に閲覧できます。)
しかし、あくまで「公示」です。
不動産登記法の中で、 それを”証明(保証)する”意味は、
一言も書いていないのです。 |
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2.信用力(厳密な審査をクリア)
法的な証明が無ければ、登記簿の意味が無いように感じるかもしれません。
しかし、社会でよく利用されている理由は主に2つあります。 その1つが”信用力”です。
登記簿は、一般的に社会で高い信用力があります。
なぜ信用力が高いのか? その理由は、
・法務局という、国家機関が取り扱っている
・法務局で、厳密な審査をクリアしている
・国民の義務によって登記内容は、ほぼ現状に合わせて更新されている ※現状と合わない場合もある。
・登記簿の面積や地積測量図は、土地境界の専門家(土地家屋調査士)が調査、作成している
などです。
ただし、更新が近年されたものほど、信用力が高く、古いものほど、低い となっています。
土地の売買をするときは、古い登記簿であれば信用力が低いので、再度専門家による調査を行い、変更部分があれば登記する等
の手続を行っています。 こうして信用力を高めた登記簿を取引に使用しているのです。
※言い換えますと、信用を裏切られる(登記簿の内容が事実と異なる)可能性があるということです。
3.切り札(不測の事態に備える)
一定条件のもと、法的な効果を得ることができます。 (「対抗要件」という言い方をご存知の方もいるかもしれません。)
登記していることで得られる法的な効果とは?
同じ立場の人が現れた場合、登記の有無で決着をつける(権利がどちらにあるのか判断する)というものです。
土地の売買を例に挙げますと
BさんはAさんから100万円で甲土地を買う契約をしました。 しかし、その後登記をしていませんでした。
すると、甲土地を150万円で買いたいというCさんが現れ、Aさんは、Bさんが登記していないことを良いことに
Cさんと契約しました。 そうすると、BさんもCさんも甲土地を買ったと思っているわけです。
〔甲土地の売買による例〕
A→→→→売買(100万円)→→→B
↓ 売買の時期、金額に関わらず、先に登記をしたほうが勝つ!
↓→→→→売買(150万円)→→C
この場合、どちらに権利があると思いますか? 先に甲土地を買ったほうでもなく、金額が高いほうでもありません。
先に登記の手続きをした方が甲土地の権利を得ることができます。 そして、甲土地の権利を得られなかった方は
Aさんに、お金返せ!っと言えるわけです。
このように同じ立場の人が突然現れるといった不測の事態に、登記が絶対的なものとして効果を発揮します。
まさに切り札と言えるでしょう。
ただし、権利の 有る 無し 以外の効果はありません。 土地の境界線について何ら特別な取扱いはありません。
不動産屋さんの絡む土地売買であれば、必ず買受人名義で登記をするのは、この3が一番大きな理由と言えます。
【 多い誤解 例 】
・登記簿の内容を法務局が保証している ×
法務局で発行される謄本に証明印が押してあるのは、法務局で保存している登記簿の原本と”内容が同じ”であることを
証明してます。 内容について法的な証明をしている訳ではありません。
・現在の状況と一致している ×
一致していない場合もあります。 相続が発生した時、土地の利用方法を変えた時など登記をしていないという事例は多く
あります。
※通常、登記簿の説明に”公信力”の話になりますが、説明が難しくなるため、一般向けに”信用力”など表現を変えたり
して説明してみました。
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