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【 依 頼 編 】  

資格者からあきらかに違う境界を示されたら?
(資格者だから絶対に正しいと思わないこと。)

資格者が言う境界が絶対に正しいというわけではありません。

お隣様とトラブルがあるわけでは無いのに、資格者からとんでも

ないことを告げられるということがあります。

資格者に依頼したタイミングで、眠っていた問題が表面化する

ことは、よくあることです。 しかし、場合によっては、資格者の

言うことから、トラブルが引き起こされるということもあるのです。


土地の境界の専門家は土地家屋調査士ですが、 他の資格者

で、弁護士さんや司法書士さんや行政書士さん測量士さんなど

でも多少なり知識があり、土地の境界についてある程度説明

できるような方は結構いらっしゃいます。

あなたの相談されている方は、どの資格をお持ちでしょうか。

土地家屋調査士なら一番信頼はできるものの、それでも絶対

というわけではありません。

得手不得手がありますし、何より人間がすることです・・・。


もし、あなたが思っている境界とあきらかに違う境界を示されたら

あなたはどうしますか?


ここでは、余計なトラブルを起こさないためにも、

資格者の言うことに、どうしても納得できない方のために

解説しています。
まずは、あきらかに違うこととなった、原因と発生箇所について整理してみましょう。

【 主な原因 】

(a)誤差 (機械器具等が少なからず持っているもの)

(b)ミス (知識や技術の不足で人が起こす失敗)

(c)錯誤 (勘違い、ミスから引き起こされるもの)


(d)心理的要因 (感情的な摩擦がある時に起こりやすい)


【 発生箇所 】

(1)資格者
  誤差、ミス、錯誤によって起こる。

(2)当事者(自分)
  錯誤、心理的要因によって起こる。

(3)資料(過去の図面など)
  昔に資料作成に関わった資格者の、誤差、ミスによって起こる。

(4)現地
  境界標を設置した資格者の、誤差、ミスによって起こる。
  境界標が設置後に動いてしまうことがあるが、境界標設置方法の人為的ミスによる場合もある。


【 ケース1 】

境界標が破損してしまったため、境界標の再設置を資格者に依頼しました。 筆界確認書を交わした経緯があり、

私のブロック塀の外面を境界として 境界標を設置していたはずなのに、境界標を復元してもらったら、

造り替えていないはずのブロック塀が境界に食い込んでいる(越えている)と言われました。

(解説)
このケースは、ネット上でよく見かけます。 誰が言っているのか少々気になりますが・・・

資格者の知識不足等によるミスと、測量の誤差があるために起こります。


資格者は境界決めるとき、境界を推定できる証拠資料を収集しますが、測量によって作られる資料は必ず誤差が含まれています。

誤差があるなら、本当の境界線の位置は求めようがないのか?というと、そういうわけではありません。

通常は資料から読み取った値の中数が、一番確からしい値と推定され、もしその推定を覆す他の要因が無ければその値が

一番確かな値(真値)として取扱います。


この考え方を上のケースに当てはめるてみましょう。

ブロック塀の外面に合わせて境界標を設置し、測量したとしても、誤差で必ず僅かばかりのズレが生じます。

境界標を復元する際に、その時の測量によって作成した資料だけを境界の証拠として使用するならば、当然ブロック塀の外面から

ズレた位置が境界として推定されてしまうのです。  これはあくまで推定なので、誤差の起こりうる範囲であれば、他の証拠が

あれば、その推定位置は変わります。 そこで、あなたの認識を証拠として加えることでブロック塀の外面ピッタリを境界線として

推定することが可能になります。 もちろんお隣様の認識が、あなたと一緒か、または認識が無いということなどが条件となります。

境界を決めるとき、資格者が あなたの境界線についての認識を確認するのが普通ですが、それがなんらかの理由で行われて

いないとき、このケースのような事態が起こる可能性が高くなります。


大事な考え方になりますが、土地境界線はあくまで現地にあるもので、図面等はそれを可視化して表しているにすぎません。

もし測る時の誤差で 2cm ズレた境界を 筆界確認書に示してしまったら、 2cm 境界は 動いてしまうのか? 

という疑問があると思いますが、この場合でも土地の境界は 動かないのです。 

ミスの場合であれば、誤差と違い、数十センチのズレなど、明らかな違いが生じますが、同様に土地の境界は動きません。


極端な例ですが、ネット上で同様の話になりますが、3mmブロック塀が境界に食い込んでいるということでトラブルが起こり・・・

という相談がありました。

起きるはずのないトラブルが起こってしまった例の典型と言えるでしょう。



【 ケース2 】

境界を決める際に現地で立会いを行い、境界と決まった箇所に仮に”木杭”を設置しました。 後日コンクリート杭を設置しましたが

どうみても位置が違うように見えます。 しかし木杭は無くなっているため確認ができません。


このケースの場合、可能性がいくつかあります。

(可能性1 解説)
境界標設置時にミスがある可能性があります。

私たち土地家屋調査士がするならば、ミスは希な話になりますが、測る時のミスだけでなく、木杭に足が当たる、コンクリート杭の

設置の悪さからセメント凝固時に動くなど様々なパターンがあります。


(可能性2 解説)
当事者の心理的な原因から起こることがあります。

境界について長期間トラブルを抱えていた場合、当事者の心理に少なからず猜疑心が沸いてきます。 すると違う位置で

あるように思えたりするのです。 それは、お隣様から言われることもあれば、あなたがそう思うこともあります。

もし資格者が相手方の依頼した人である時、なおさらその傾向は強いといえます。

私たち土地家屋調査士は、境界について公正な立場で業務にあたることが義務付けられているため、どちらかに有利にする

ようなことはありません。 しかし、実際にどうなのか確認できるものではないので、どうしても納得出来ない時は、

もう一度立会いをお願いしましょう。

写真を撮っておいたり、自分で確認できるようにテープで測っておくと安心できるかと思います。


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一番大切なことは

あれ!? と気がついたら早めの対処です。

境界標を設置する”前”、筆界確認書に押印する”前”、とにかく早ければ早いほど容易に入れなおしが出来ると言えます。

気がついた時点で直ぐに資格者に伝えましょう。

何日もほっとくと、一旦認めたと思われ、トラブルの基になったり、修正が難しくなってくるのです。 



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